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大澤聡×加藤賢策×山本貴光「『アイデア』No.370 思想とデザイン」
@ゲンロンカフェ 2015/8/7 19:00-

『アイデア370 特集:思想とデザイン』に関するトークイベントを行います。

言葉と思考における「スタイル」に着目した『文体の科学』(新潮社)の山本貴光、「論壇」「文壇」など言論を支えてきたシステムに注目した『批評メディア論』(岩波書店)の大澤聡、本特集の企画・構成・アートディレクションを行ったグラフィックデザイナーの加藤賢策(LABORATORIES)の3人によるトークイベントです。20世紀後半「思想」や「批評」がどのような形をまとってきたのかという本誌特集の問いを様々な視点から解き明かします。
さらに本特集で使ったほぼ全ての思想書の資料の展示も同時開催します。
本誌を読んでいない人にも楽しめるイベントになると思いますのでぜひご参加下さい!

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読んだ雑誌を思い起こすとき、文面・文体や内容だけが思い浮かぶものもあれば、表紙や扉、フォント、紙質、余白のかもし出す空気感まで蘇ってくることもある。思想そのものに形はないが、私たちは各時代のそれを、雑誌という姿で今も手に取ることができる。ページを開けば、そこには情報だけでなく、当時の時代性、空気感、熱気のようなものが濃厚に閉じ込められている。それは編集者や作家、思想家、デザイナーによる絶え間ない試行錯誤の結果であり、各者がページの上でせめぎ合った闘いの結果でもある。

『IDEA No.370 : 思想とデザイン』は、1960年代以降の思想誌の歴史をデザインを軸に、ビジュアルと編集で見せた、画期的特集である。
『思潮』『思想』『現代思想』『試行』『思想の科学』『批評空間』…大胆なデザインを取り入れた『パイデイア』『遊』『エピステーメー』『GS』『週刊本』名前を聴くだけで知的好奇心に胸がざわめくような雑誌の数々。また、それ自体も雑誌である本誌のビジュアルそのものが、60年代以降のデザインの成果を、ある意味で総括して見せているとも言える。

印刷製版にコンピューターが導入された1960年代以降、雑誌の「見た目」は大きな変化を遂げた。80年代以降、DTP技術はAdobeとMacintoshの登場によってさらに革新され、今や世界中のほとんどの雑誌がAdobeで作られていると言っていい。
エディトリアルデザインに次なる革新は来るのか。そもそもこの先、紙束の雑誌という形態にまだ未来はあるのか。
古代から現代に至る出版史の大きな流れも視野に入れつつ、編集者、デザイナー、批評家、研究者というそれぞれの立場から、過去と未来の「雑誌」を考える、ビジュアル満載、創造的トークショー。

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プロフィール

山本貴光
1971年生まれ。文筆家・ゲーム作家。コーエーでのゲーム制作を経てフリーランス。著書に『文体の科学』(新潮社)、『世界が変わるプログラム入門』(ちくまプリマー新書)、『心脳問題』(吉川浩満との共著、朝日出版社)、『サイエンス・ブック・トラベル』(編著、河出書房新社)など。翻訳にジョン・サール『MiND』(吉川と共訳、朝日出版社)、サレン&ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)など。

大澤聡
1978年生まれ。メディア史/批評。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、近畿大学文芸学部講師。各種媒体にジャーナリズムや文芸に関する論考を発表。
2015年1月に初の単著となる『批評メディア論』(岩波書店)を刊行。

加藤賢策
1975年生まれ。株式会社ラボラトリーズ 代表取締役。アートディレクター/グラフィックデザイナー。武蔵野美術大学・女子美術大学非常勤講師。
2002年同武蔵野美術大学大学大学院視覚伝達デザインコース修了(プログラミングによるダイアグラム/地図の研究)。2006年株式会社東京ピストル設立。同社退社後2013年7月株式会社ラボラトリーズ設立。アートディレクター/デザイナーとしてグラフィックデザイン、ブックデザイン、WEBデザイン、サインデザインなどを手がける。主な領域はアートや建築、思想など。2012年よりゲンロンのアートディレクションを務める。